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これは 44dat が制作したデモサイトです。掲載している店舗・企業・商品はすべて架空で、実在のものとは関係ありません。

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品書きへ
薄暗い仕込み蔵。杉桶の縁に置かれた仕込帳と裸電球

まだ、開けない。

〇日目

木桶の味噌と醤油。香りが立つまで、二夏二冬。

仕込みから読む

仕込む

一日目

蒸す。掘る。返す。担ぐ。

二月、蔵がいちばん冷える朝に仕込む。大豆を蒸す湯気で、梁が見えなくなる。外は根雪、蔵の中は零度に近い。手だけが熱い。

蒸米の湯気越しに作業する蔵人の腕 白い菌糸が立った米麹の接写
  • 大豆

    盆地の大粒。ひと晩水を吸わせ、四時間蒸す。

  • 麹になる米。蒸して、種を付けて、二昼夜。

  • 粗塩。角が取れるまで、桶の中で二年かかる。

  • 花崗岩の伏流水。硬度 25mg/L の軟水。

麹は手で握って、栗の香りがして、菌糸が締まっていたら出す。温度は三十二度、ここだけは譲らない。

五代目の仕込帳、毎年二月の頁に同じ一行がある。

桶に仕込んだ日から、蔵は静かになる。

二日目 蔵温五度。表面、動かず。

寝かす

二日目 — 七百二十九日目

蔵人は毎朝、桶を回って一行書く。頁を埋める判断の多くは“まだ”の二字。それを七百二十九日重ねてから、開ける。百五十年、欠かした日はない。

七百三十日の帳面から、五日分。

  • 三十九日目 三月十一日 蔵温六度。表面静か。塩の角、立ったまま。 まだ。
  • 百六十四日目 七月十四日 蔵温二十四度。泡、二拍に一度。香り、甘く濁る。 天地返し、一回。
  • 二百四十一日目 九月二十九日 泡、遠のく。色に赤み。 一夏目、終わり。
  • 四百八日目 三月十五日 蔵温七度。醪、澄む。動かさない。 冬に任せる。
  • 七百二十八日目 一月三十日 三番桶、甘い焦げの香り。あさって開ける。 よし。
  • 醪がゆるむ。
  • 泡が数えられる。
  • 色が沈む。
  • 音がなくなる。
蔵温の記録 〇度 十度 二十度 三十九日目 百六十四日目 二百四十一日目 四百八日目 七百二十八日目 一夏 一冬 二夏 二冬 仕込み 開封 七百三十日目

二年分の蔵温。二つの夏が味を押し、二つの冬が味を留める。

杉桶の中で発酵する豆味噌の醪。表面に小さな泡
百六十四日目、泡は二拍に一度。

時が味を決める。人は帳面を付けて、それを待つ。

七百二十九日目 蔵温二度。明日、三番桶を開ける。

目覚める

七百三十日目

仕込みの日の闇より、いま、蔵は赤い。

三十六本の桶に、三十六の味がある。灯穂はそれを均さない。今年いちばんに香りが立ったのは、三番桶だった。

開ける順番は、香りで決める。日数は目安に過ぎない。

搾る

開けた桶から醪を袋に移し、重石だけで搾る。生揚げが糸を引いて落ちる。

火入れ

釜に火を入れる。香りが立ち、色が定まる。蔵の名の灯は、この火のこと。

柄杓から糸を引いて落ちる暗褐色のたまり
七百三十日目、生揚げが糸を引く。

七百三十日目 火入れ、済み。蔵を出る。

食卓へ

七百三十一日目

七百三十日は、朝の一杯に収まる。

湯気の立つ味噌汁と白飯の朝の食卓

品書き

迷ったら、冷奴で差の出るたまりから。贈るなら、桶番号入りの三番桶。

  • 灯穂たまりの瓶

    灯穂たまり

    720ml / ¥2,592(税込)

    濃口より甘く、色は濃く、香りは低く長い。冷奴と卵かけご飯で違いが出る、最初の一本。

  • 灯穂豆味噌のパッケージ

    灯穂豆味噌

    1kg / ¥1,728(税込)

    豆だけで仕込む赤褐色。汁にすると澄む。毎朝、味噌汁を作る人へ。

  • 限定品 二夏二冬の木箱入りパッケージ

    二夏二冬 三番桶

    限定

    900g / ¥4,320(税込)

    今季は三番桶、八百本。桶番号はラベルに刻む。香りで選ぶ人と、贈り物に。

ご注文は蔵元直販のみ。三日以内に発送します。

贈り物にする

のし・木箱・手提げをご用意しています。お届け日は七日先から指定できます。

五万五千八百日目 帳面、五十七冊目。

蔵元

五万五千八百日目

桶の七百三十日を、百五十三年繰り返してきた。原料、桶、寝かせる日数、開ける判断まで、蔵で決めて、蔵で引き受ける。

標高
四百メートル

盆地。冬は零下十二度、夏は三十三度。

年較差
四十五度

この寒暖差が発酵の緩急を作る。

硬度 25mg/L

花崗岩の伏流水。角のない軟水。

根雪
十二月〜三月

仕込みも開封も、寒中に行う。

地名は看板にしない。水と寒暖差は、看板にする。

明治六年 初代が寒中仕込みの蔵を開く。
昭和三十年 杉桶を三十六本に。代替わりごとに箍を締め直す。
平成二十年 五代目が帳面を継ぐ。五十七冊目になる。
現在 三十六本の桶が、それぞれの日数で眠っている。

開ける日は、どう決めるのですか。

香りです。甘い焦げの香りが立った桶から開けます。日数は目安で、遅れる桶は遅らせます。去年の七番桶は、七百五十九日でした。

五代目蔵元

雪の残る蔵の外観。瓦屋根と白壁、夕暮れ

蔵見学は二月と十月、月に二日ずつご案内しています。仕込みと開封の日に合わせてどうぞ。 蔵見学の案内を見る