↳ 径路は外構の登りから始まる 門から玄関までを一直線にしない。緩い登りと植栽で視線を一度伏せ、家の気配だけを先に届ける。
SITE / 南東傾斜 6° ・ 進入は北西角 ・ 既存樹3本を保存
FEATURED RESIDENCE — 045
住まいは、部屋の集合ではありません。住まい手が一日に何百回もたどる経路——その移動そのものを設計します。
(思想 / THOUGHT)
間取りは「部屋をどう並べるか」で語られがちです。私たちは逆から考えます。住まい手が朝起きてから夜眠るまでにたどる経路——光の入り方、視線の抜け、立ち止まる場所——を先に描き、その径路に部屋を沿わせる。だから廊下が、ただの通路で終わりません。
移動のたびに、光が変わる。
朝は東から、夕は西から。一日の採光を時間軸で設計し、歩くたびに表情の変わる住まいにします。
廊下を、通路で終わらせない。
移動の線上に本棚、窓辺の腰掛け、土間を置く。経路そのものが、最も長く居たくなる居場所になります。
どこを歩いても、居場所がある。
回遊できる動線を一本通すと、家族が同じ場所に滞らない。それぞれの居場所が、移動の途中に生まれます。
(径路を読む / THE PATH, READ)
作品を「一覧」では見せません。住まい手が敷地に入り、家を通り抜けるまでの順序——到着・転回・滞在・開放——をたどってください。各節には設計意図と、その判断の根拠を添えています。横に進むほど、径路が読み解けます。
↳ 径路は外構の登りから始まる 門から玄関までを一直線にしない。緩い登りと植栽で視線を一度伏せ、家の気配だけを先に届ける。
SITE / 南東傾斜 6° ・ 進入は北西角 ・ 既存樹3本を保存
↳ 径路はここで折れ、視界が開く 玄関で90度向きを変えると、土間の先に谷の眺望が抜ける。歩く方向が変わる瞬間に、光景を渡す。
LIGHT / 南西に谷の抜け ・ 土間は三和土 ・ 天井高 2,100→3,600mm
↳ 径路の途中に滞在の節が生まれる 移動の線上に、窓辺の腰掛けと書架を据える。通り抜けるための廊下が、最も長く座っていたい場所に変わる。
MATERIAL / 床は栗の無垢 ・ 窓辺ベンチは造作 ・ 北採光で陰影を抑える
↳ 径路は外へ抜けて終わる 径路の終点で、軒下の縁側へ解き放つ。室内の床と外部のデッキを同じ高さで連続させ、稜線の眺望に開く。
SITE / 南東に主開口 ・ 深い軒 900mm ・ デッキと床レベル±0
(設計の手順 / METHOD)
デザインは思いつきではありません。敷地を読み、動線を引き、光を計り、素材を選ぶ。各段階で何を判断材料にしているかを公開します。
判断基準 — 方位・傾斜・既存樹・隣家の視線・風の通り道
測量図を引く前に、一日その敷地で過ごします。光がどこから入り、どこで止まるか。建てる前に、住まい手の経路の起点を見定めます。
判断基準 — 一日の動作回数・回遊の可否・立ち止まる地点
間取りより先に、住まい手が一日にたどる線を引きます。回遊できるか、どこで折れ、どこで滞在するか。径路が決まってから、部屋を沿わせます。
判断基準 — 時刻別の日射角・季節変動・陰影のコントラスト
開口の位置と大きさを、時間軸で検証します。朝と夕で表情が変わるように、移動のたびに光が応える設計にします。
判断基準 — 視線の到達距離・天井高の変化・借景の有無
歩く方向が変わる地点に、視線の抜けを用意します。転回の瞬間に眺望を渡すことで、移動が体験になります。
判断基準 — 経年変化・素足の感触・触れる頻度・地域材の有無
毎日触れる床と建具から決めます。手が触れ、足が乗る場所こそ、時間とともに育つ素材を選びます。
判断基準 — 図面と現場の差・光の実測・職人との納まり調整
図面は完成ではありません。実際の光を現場で測り、納まりを職人と詰める。径路が意図どおり機能するまで立ち会います。
(施主の声 / VOICE)
「廊下が一番好き、と子どもが言うんです。窓辺のベンチで本を読んで、気づくと一時間。通るための場所だったはずが、家でいちばん長く居る場所になりました。」
(相談 / GET IN TOUCH)
土地探しの段階からご相談いただけます。まずは敷地の写真と、暮らしで大切にしたい時間を聞かせてください。
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