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これは 44dat が制作したデモサイトです。掲載している店舗・企業・商品はすべて架空で、実在のものとは関係ありません。

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灰音 Haine
桜島の降灰釉の碗。中性の斜光で口縁の灰だまりと黒泥土の景色を捉えた全形

桜島の灰が、窯で景色になる。

火山灰のシリカと鉄が、顔料を足さずに青磁から黒までを描く。手びねりの一点を、灰の景色ごと手放す工房の直販。

灰は、音もなく色になる。

今ある器を見る 次の窯出しを知らせる
なぜ同じ灰釉でも、残す器と外す器があるのか。 What the ash leaves.

作品詳細

One Piece

にび

光を返さない黒。叩くと、まだ窯の音がする。

厚く掛かった降灰釉が、黒泥土の上で光を吸う。見込みの貫入は細かく均一で、灰だまりが底へ静かに溜まった。手に取ると、思うより重心が下にある。

高台脇に石ハゼ二粒、内側の貫入は細かく均一。

一人分の炊き込みご飯に、ちょうどよい深さ。手に取ると重心が下にあって、片手で迷わず持てる。

鈍の全形。黒泥土の碗、降灰釉が光を吸う黒の全体
全形
鈍の真俯瞰。見込みの細かく均一な貫入と底の灰だまり
真俯瞰
鈍の高台。削りの稜線と脇の石ハゼ二粒
高台
鈍の口縁マクロ。灰だまりの厚みと口当たりの面
口縁マクロ
鈍を両手で支える。碗の大きさと重心が分かるスケールカット
手とのスケール

灰の景色

Reading the Ash

色を足さない理由は、灰そのものにある。

桜島の降灰

鹿児島で日々降り積もる灰を集め、篩(ふるい)と水簸(すいひ)で粒を整え、長石・木灰と調合する。熔かす力は灰そのものにある。土地の灰、とは濁さない。産地は桜島と名指す。

鉄が色、カルシウムが流れ

火山灰はシリカとアルミナに富み、鉄・カルシウム・マグネシウムを含む。鉄が発色源になり、カルシウムが流れ(媒溶)を生む。だから顔料を一切足さずに色が出る。これが、色を足さないという制約の物質的な根拠になる。

青磁から黒まで

還元で焼けば青磁、鉄青、暗緑へ。酸化なら枇杷から飴へ。厚く溜まれば黒、ときに油滴になる。暖色が出るのは写真の中の釉だけで、ページの地には持ち込まない。

再現できないこと

灰釉は流れ、溜まり、縮れる。同じ調合、同じ窯でも、灰の積もり方と炎の通り道で景色が変わる。鉄釉や織部のように制御はできない。制御できないことが、そのまま商品性になる。

同じ釉、違う景色

下の二点は、同じ降灰釉を同じ窯で焼いた碗。灰の流れだけで景色が分かれる。再現できないことを、写真で示す。

比較カット左。同じ降灰釉の碗、灰が縦に流れた景色
一方は灰が縦に流れ
比較カット右。同じ降灰釉の碗、灰が底に溜まった景色
一方は底に溜まった

見方の語彙

灰の景色を読む七つの言葉。作品の観察メモは、この語で書いてある。

景色けしき

灰が流れて溜まった模様の総称。

灰だまりはいだまり

灰が厚く溜まり、青磁や黒に発色した部分。

緋色ひいろ

炎が直接当たって出る赤茶。

石ハゼいしはぜ

土中の石が爆ぜて表面に出た白い粒。

貫入かんにゅう

釉表面の細かなひび。景色として肯定するもの。

銀化ぎんか

鉄が窯変で鈍く銀に光る部分。

窯変ようへん

窯内の偶然で出た、予期しない発色。

灰音の眼

What We Keep

灰音の仕事は、手仕事風を量産することではない。焼き上がった中から、使えて、景色の良いものだけを選び、名づけ、その見方ごと手放す。だから残す理由と外す理由を、ここに掲げておく。

全部は出さない。眺めてきれいでも、使うと手が止まる器は外す。残す一線は、毎朝の食卓で迷わず使えるか。

残す

  • 灰の流れと溜まり、それ自体が景色になっているもの
  • 緋色や窯変、石ハゼの白い粒
  • 自立を損なわない自然な歪み
  • 高台の削り跡の稜線、手の通った指の道筋
  • 景色としての貫入と銀化

外す

  • 使用強度を欠くひびや貫入
  • 見込みや口縁の釉縮れ、ピンホール(吸水と衛生に難)
  • 液体がこぼれる歪み
  • 底に灰が熔着して座らないもの
  • 触れて落ちる鉄錆

外した一点

外した個体も少しだけ見せておく。眼が実在する証拠として。

外した碗。見込みに深い貫入が一本走り吸水が残る個体
見込みに貫入が一本深く走った。日々の茶碗には吸水が残る。
外したぐい呑。口縁に釉縮れのピンホールが連なる個体
口縁に釉縮れのピンホールが連なった。口当たりに障る。

窯出し

Next Firing

量産ではないので、入荷は事件として扱う。次の窯出しの日に、選んだ数点を黒地で出す。

次の窯出し 2026年7月12日

還元焼成。碗と花器を中心に、選べた数点。

窯出しの朝に一度だけ知らせます。

過去の窯出し
2026年5月10日

ぐい呑と小皿。十一点を出し、九点が嫁いだ。

2026年3月22日

湯呑と碗。八点を出した。

2026年1月18日

花器と大鉢。四点、うち一点は窯割れで外した。